イップス

今回は、野球現場でよく遭遇する”イップス”についてお話ししたいと思います。

イップスとは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことであると記載されています。いろいろなスポーツ現場で起こる現象の様です。

野球では、圧倒的に投げる動作に支障をきたすことが多いです。

当スタジオをご利用の選手の中にも、いわゆるイップスを改善したいという要望の選手がたくさんいます。

イップスの症状は選手により様々で、ある特定の距離だけ投げられない、力を入れると投げられない、近距離だけ投げられない、マウンドに立つと投げられない、ブルペンの中でのみ投げられない、特定の人物にだけ投げられないなど多様です。

プロ野球選手の中にも、イップスを持ったまま試合に出場し続けている選手もいます。一昔前は、先輩や指導者による過度なプレッシャーが原因で発症することが多かった印象です。しかし、最近は明らかなプレッシャーがないにも関わらず、イップスを発症することが多いように思います。

イップスになった要因を3つに分類して考えたいと思います。

身体的要因(筋力低下、痛み、柔軟性低下など)

野球で肩や肘を痛めた後、肩肘の手術後、指の筋肉や腱が硬くなって柔軟性が低下する、腰や膝を痛めた後で体幹・下肢筋力が低下するなどが原因で発症することがあります。投球動作は、何度も投げているうちに頭で意識をしなくても勝手に運動が学習され動けるようになってきます。しかし、上記のような原因で投球のメカニズムがくるってしまうと「あれっ。何かおかしい」と頭にいつもないインプットが入ってしまい、動作をぎこちなくしてしまいます。これらの身体的要因が明らかな場合は、ストレッチ、痛みを改善する治療、筋力強化をして機能低下を回復することが優先となります。

野球専門からだとわたしでは、整体・コンディショニング(ケア)のメニューで機能的な問題を解決しています。

心理的要因(内面)

先程お話ししたように、明らかな外的なプレッシャーや存在などの要因がない場合です。このケースは、はじめの方は何回かに一回だけイップスの症状が起こり、段々症状の頻度が増していき、気付いた時には全然投げられなくなっていたことが多い印象です。選手自身の内面が影響している場合、「今まではこんな投げ方じゃなかった」「もっと思うように投げれていたのに」「周囲と比べて、強いボールを投げられないので、いやだな」など他者と比べたり、自分自身でダメなんだと言い聞かせてしまうタイプの選手が陥りやすい傾向にあります。特に、神経質で繊細な感覚をもっている選手が多いことが特徴です。

対応としては、オーバースローではなくスリークォーターもしくはサイドスローの腕の位置で投げてみる、ポジションを一時的に変えてみる、バッティングに集中的に取り組むなど「今まで通り投げないといけない」と固執していた考え方を変え、目線を変えてみるのもよいかもしれません。

心理的要因(外面)

監督・コーチから過度に怒られて投げられなくなる、先輩に暴投を投げて怒られて投げられなくなるなどが要因でおこる場合です。この場合、特定の場面でのみ投げられない、特定の相手にのみ投げられないなどの症状がみられます。このような場合は、監督・コーチを中心とした指導者のイップスへの理解が不可欠です。明らかな外的要因を徐々に排除しながら、練習に取り組んでいくとよいでしょう。指導者や先輩から過度な指導を受ける場合を除き、少なからずイップスになった本人の練習への取り組み、周囲の選手との接し方など問題があり、それに対し過度な指導となってしまうことも見受けられます。周囲の環境を変えるだけでなく、自分を見つめなおす機会にしてもよいかもしれません。

まとめ

イップスは簡単に改善する症状ではありません。明らかな身体的要因がない場合は、選手本人の考え方や行動を変えることで選手自身が乗り越えていくしかありません。


野球専門からだとわたしでは、身体的要因以外にも心理的要因に対してどのように取り組んでいけばよいかをアドバイスしたり、練習方法を指導しています。イップスにお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

野球専門からだとわたし 整体・個別技術指導・トレーニング(奈良市高の原)

松谷

 

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